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ハプログループO-M268 (Y染色体)(ハプログループO-M268 (Yせんしょくたい)、系統名称ハプログループO1bとは、分子人類学で用いられる、人類のY染色体ハプログループの分類のうち、ハプログループOのサブクレード(細分岐)の一つで、「M268, L463, F167/L690, P31」の変異で定義づけられる系統である〔〕。2015年11月にISOGG系統樹〔http://www.isogg.org/tree/index.html〕が改訂されるまではハプログループO2と呼ばれていた。 ==概要== O-M268系統からは、日本で多く見られるO-47zの他に、東南アジアやインドの一部(特にオーストロアジア語族)で多く見られるO-M95系統と、朝鮮半島で多くて中国東北部や日本でも少し見られるO-L682にそれぞれ分類される。O-M176、O-M95、O-PK4(xM95)がいずれも中国国内で多少確認されているほか、東南アジアおよびインド東部に多いO-M95と日本に多いO-M176の分布の中間に中国が位置していることから、O-M268系統がもともと中国で発生し、そのサブグループたちが中国から拡散したという仮説を中国の学者が2011年に発表された論文の中で唱えている〔Shi Yan, Chuan-Chao Wang, Hui Li et al., "An updated tree of Y-chromosome Haplogroup O and revised phylogenetic positions of mutations P164 and PK4." European Journal of Human Genetics (2011) 19, 1013–1015.〕。 O-M268系統について、崎谷満は長江文明の担い手だとしている。O-M176系統が移動を開始したのは約2800年前で、長江文明の衰退に伴い、O-M95および一部のO-M176は南下し、百越と呼ばれ、残りのO-M176は西方及び北方へと渡り、日本列島、山東省、朝鮮半島へ渡ったと崎谷満は主張している〔崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)〕。このO-M176系統は倭人、弥生人に関連すると考えられる。 倭人(O-M176)はオーストロアジア語族(O-M95)と姉妹関係であり、日本語とオーストロアジア系カンボジア語の語彙類似性が高いとするデータ〔安本美典 (1991)『日本人と日本語の起源』,東京:毎日新聞社〕〔安本美典 (1978)『日本語の成立』,東京:講談社〕とも符合する。また大野晋が唱える日本語タミル語起源説についても、タミル語の基層言語にオーストロアジア語族ムンダ語派が存在しており、O-M268系統の集団が持っていた同源語彙が日本語(O-M176)とタミル語(O-M95)に引き継がれたと考えられる。 なお、日本にもO-M95が1~4%観察されている〔Hammer MF, Karafet TM, Park H et al. (2006). "Dual origins of the Japanese: common ground for hunter-gatherer and farmer Y chromosomes". J. Hum. Genet. 51 (1): 47–58. doi:10.1007/s10038-005-0322-0. PMID 16328082.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハプログループO1b (Y染色体)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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